Bäckerei / パン屋さん

パンを作るための基礎知識

製パンの基礎知識をつけることによって、より美味しいパンが作れるようになるだけではなく、自分のレシピを作れるようにもなるのでパン作りの楽しさがよりいっそう広がると思います。今回は、広く浅くを意識して書いて見ました。内容は主に日本のパンについてですが、少しドイツのライ麦パンについても書いてあります。

パンとは

小麦粉やライ麦粉などに水、酵母、塩等を加えてできた生地を発酵させて焼いた食品のことです。発酵とは細菌や酵母などの微生物が炭水化物、たんぱく質などを分解してアルコール、二酸化炭素や有機酸などを生成することを言います。製パンでは主に、発酵とは酵母(イースト菌)が麦に含まれる(あるいは添加された)糖質をアルコールと二酸化炭素に分解することを意味します。そのガスを小麦のパンの場合はグルテン、ライ麦パンの場合はでんぷん質がパン生地の中に保持しパンの気泡が作られます。そして加熱することによりグルテン、でんぷん質は固まりパンの内装が構成されます。

小麦粉パン

小麦が主成分のパンはグルテンによって生地が構成されます。グルテンとは小麦粉に含ませるタンパク質(弾力性をもつグルテニンンと粘着力があるグリアジン)に水分を加えて捏ねるなどすることによって形成されます。グルテンは弾力と粘着力を併せ持ち、発酵によって生じたガスを風船のようにパン生地の中に保持します。

ライ麦パン

ライ麦粉も本来グルテニンとグリアジンンを含有しているのですが、ライ麦に含まれるペントサン(多糖類)が吸水性に優れているためグルテニン、グリアジンンが水分と結びつく前にほぼ全てペントサンと結びついてしまいます。それゆえライ麦のパンではグルテンが構成できないのです。小麦もライ麦も主成分はデンプンです。デンプンは熱によって固まるのでその性質を利用してライ麦パンは作られます。でんぷん質だけではガスの保持力は小麦のパンに比べて劣ります。ライ麦パンが小麦のパンより重い感じになるのはそのためです。

そして、ライ麦パンを焼く場合サワー種が必要になります。(サワー種については職業学校で勉強します。後日詳しく書こうと思っています。)サワー種とは簡単に言うと乳酸菌などの微生物が含まれる生地の事で、乳酸などの酸がライ麦パンを焼くために必要になります。なぜかと言うと、ライ麦にはアミラーゼという酵素が含まれていて、それがでんぷん質を糖と水に分解してしまうのです。すなわち加熱しても固まる成分がないので焼いても生焼けのような状態にしかなりません。サワー種に含まれる酸はアミラーゼの活動を抑止させ、でんぷんを分解させるのを妨げます。サワー種を使用することによってやっとライ麦パンを焼くことが出来るのです。ちなみに酢やレモン汁などでも代用が出来るらしいのですが、サワー種を使用することにより、風味が豊かになり日持ちも良くなるなど他にも利点があります。

小麦粉について

一般的なスーパー等のお店で売られてる小麦粉の種類について説明していきます。

日本で売られている小麦粉:強力粉、中力粉、薄力粉はどのスーパーでも購入出来ると思います。その違いはタンパク質の含有量と性質にあります。強力粉はタンパク質が多くすなわちグルテンも多く粘弾性にも優れているためパン作りに適した粉と言えます。それに対して薄力粉はタンパク質の含有量が少なくグルテンを必要としないケーキやクッキー作りに適しています。中力粉はその中間の性質をもち、作りたいパンによっては中力粉の方が適していたりします。例えばフランスパンなどを作る場合は中力粉を使用します。ふんわりボリューミーなパンを作りたければ、強力粉が向いています。

ドイツで売られている小麦粉:Weizenmehlが小麦粉の意味で、それとともに405、550、1050、1600、Weizenvollkornなどと表記されています。数字の意味はミネラル成分の量です。例えば550の場合、小麦粉100kgに対して550gのミネラル成分が含有していることを意味します。小麦粉の外側、外皮に近い方がミネラルが豊富に含まれています。つまり数字が大きくなるにつれて全粒粉に近くなっていきます。Weizenvollkornは全粒粉を意味します。405はケーキなどお菓子を作る用、550は白パン、1050/1600はライ麦とのミックスパンなど少し暗めな色のパンを焼くときに使われます。

日本では小麦の性質によって区分されるのに対して、ドイツは小麦のどの部分かで区分されていて、中力粉に近いと感じます。ケーキなどをドイツで作るとき日本の薄力粉感覚で使用すると、グルテンが出すぎてふわっとはならず重い感じになってしまったりすることがあります。そのためスポンジ生地などを作るときは粉を軽くするために粉の1/3をデンプン(片栗粉かコーンスターチ)に置き換えるなどします。

各材料の役割と性質

パンの基本材料は、粉、イースト、塩、水で、それに砂糖、油脂、乳製品などの副材料が加わります。

  • イースト:炭酸ガスを発酵させる以外に、アルコールにより生地伸びをよくしたり、風味や香りを向上させます。ドライイーストの場合粉に対して1、5〜3%、生イーストの場合は4〜6%使用します。
  • :味以外で、イーストの活動を抑制(イメージとして暴走しないようにコントロールする)、その他雑菌の抑制、グルテンの強化などの働きをする。基本は2%配合される。
  • 砂糖:イーストの栄養分として発酵を助け、さらにこんがりとした焼き色と良い香りと甘みをつける。しかし10%以上添加すると逆に発酵の妨げになる。
  • 油脂:グルテンの膜を薄くし、パンのキメを細かくする。また風味をよくする働きもある。
  • 乳製品:栄養価を高め、味、香りを良くする。発酵は通常の水を利用した時より遅くなる。

各工程の意味

基本的な行程は、ミキシング→1次発酵→(パンチ)→分割→ベンチタイム→成形→2次発酵→焼成 です。

  • ミキシング:材料を均一に混ぜ、グルテンを形成させる。
  • 1次発酵:イースト菌の増殖と活性化。こなに水分をしっかり吸水させる。※しっかり吸水させることによって、水分を保つこと可能となり日持ちするパンになる。この時点で過発酵してしまうと、風味が落ちるだけではなく、酸味が出たり、バサバサしたパンになってしまう。発酵オーバーの修復はほぼ不可能なので気をつけましょう。過発酵させるくらいなら未熟な方がましです。
  • パンチ:発酵途中に一度ガスを抜くこと。作りたい生地見よって軽めにやったりしない場合もある。そしてこのパンチをしないことをノーパンという人が多数いる。パンチを行う目的は生地の強化、活性化、均一化にある。
  • 分割、ベンチタイム:生地を切り分け10分〜20分程度休ませる。この時間をベンチタイムという。グルテンには時間が経つと張りがおさまり生地が緩くなる性質がある、ベンチタイムによって生地が安定して次の成形の作業をしやすくするためにこの工程をとる。
  • 成形:形、見栄えを良くし、均一にすることにより焼成時の火通りも均一になる。
  • 2次発酵:最終発酵ともいう。パン生地に適度なガスを含ませ生地にボリュームを持たせる。また適度に気泡を含んだ生地は火通りもよく、消化に良いパンに仕上がる。パンにもよりますが、釜伸び(焼成時に膨らむこと)も含めて、8〜9割くらい発酵させて窯入れするのが一般的だと思います。
  • 焼成:焼成時、釜伸び→固化→色づきがパン生地の起こります。ちなみに60℃前後でイースト菌は死滅し、この時点で釜伸びは終了します。その後80℃前後に行くまでに固化されていき、色づきが終わる頃に100℃近くまで言っているのが理想です。もし温度が高すぎると、表面だけ温度が上がり中に火が通る前に焦げ、また低すぎると焼成時間がかかりすぎて皮が厚くなりすぎたりします。

まとめ

仕事をしている時も、なんとなく工程の意味などを考えて作業しています。それによって品質も安定するし、失敗も大幅に減ると思います。何よりも自分自身日々の仕事を楽しむために重要な事だと考えています。意識して仕事をしてると色々気づく所もあり日々成長できます。自己満足もできるし良いことばかりです。

今後もっと詳しいこと、例えばレシピや製法、ドイツのサワー種の起こし方と使用方法などなど書いていこうと思っています。質問、知りたいレシピ等ございましたらコメントもしくはメッセージへお気軽にどうぞ。☺︎

 

 

 

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コメント

  1. 一番うけたのは、ノーパンのところでしょうか。笑
    そうか、そういうネーミングなんですね。

    我が家はシナモンロールをかなり焼きます。
    ですのでイースト菌が欠かせない。
    ちなみに、私は生イースト菌のにおいが好きです☆

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